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なぜGPSによるラップタイム計測は正確なのか?


 なぜ、GPSによる測定は、マグネットセンサー式や光電式にくらべて正確と言われているのでしょうか。

 マグネットセンサー式
 サーキットのラップタイム測定は、路面に埋め込まれたセンサーで車両の通過を検知して計測します。 また車両側からの計測では、路面に埋め込まれたマグネットのラインを車両に搭載したセンサーで検知することで計測されます。

 このようにして取得したタイムは 1/100秒や 1/1000秒単位で表示されるため、非常に正確なように感じますが、実際は以下のような大きな誤差を含んでいます。

問題点 1
 磁力は 0-1 のデジタルではありません。
磁力は、測定点に近づくと次第に強まり、また離れると次第に弱まります。 走行する車両と路面に固定されたセンサー部との関係では、センサーに次第に近づいた後に、次第に離れていきます。 したがって、センサー信号の出力も次第に強まった後に弱まっていきます。 そのために「ある程度のセンサー出力をもって通過した」と判断することになります。その場合、数十cm~数mの誤差を生じます。

問題点 2
 車両は一定の条件でセンサー部を通過することはありません。
セ ンサーの出力は、車両の速度やセンサーとの距離、通過角度などにより様々な影響を受けます。 車両は直線走行時でもピッチやロール、車高の変化を生じ、速度が変わるとセンサー出力も変化します。 そのために、ある程度の地点で車両が通過したと判断することになります。 その場合でも、数十cm~数mの誤差を生じます。

問題点 3
 タイマーは正確ではありません。
水泳競技やモータースポーツで使用される「高精度な大型タイマー」でも、3分間あたり約±0.002秒の誤差を生じます。 つまり、根本的な時計部分の誤差により1/1000秒のタイム計測さえ、ほとんど意味がありません。 また簡易タイマーでは3分間あたり約±1秒、高精度なタイマーでも約±0.01秒の誤差を生じます。

 最も正確な計測は、原子時計などの正確なタイマーを使用して写真判定する事ですが、一般のタイム計測では現実的ではありません。

 上記に対してGPSによる測定は、大きな誤差を生じません。
 例えばDL1のGPSデータ偏差は概ね2m以内に収まります。 DL2-20Hzでは1m以内、DL-2-ディファレンシャルでは30cm以内です。 ただし、この2m、1m、30cmという数値は、長期間データを取得し続けることにより生じる偏差です。
 また、タイマーとしては計測時間の長短にかかわらず、誤差をほとんど生じません。

 通常の環境でコースを周回する数分間での測位誤差は、数十cm~数cm以下に収まります。 また、加速度センサーとコンビネーションするために、その誤差はさらに小さくなります。 その結果、正確で安定したラップタイムデータの取得が可能になるのです。

 これらの理由から、GPSによるラップタイムや速度測定は現在の技術において最も正確といわれているのです。


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